シエルブルーには6つの大切にしている信条(方針)があります
ひきこもりという状態は解決しなければならない問題でしょうか?シエルブルーでは必ずしもそうではないと考えています。ひきこもりは、自分に合わない環境から自分の心身を守る行為だとも言えます。ひきこもりが問題なのではなく、その状態の中で孤立に悩んでいるならば、その孤立した状態こそが解決すべき問題です。
その孤立に悩んでいる人にとって、周りにいる誰かが居場所と感じられるのであれば、自ずと意欲が育まれ、自分らしい人生を求め、歩み始めようとするのではないでしょうか。
シエルブルーは、自分らしい人生を求め、歩み始めようとする人の伴走者となり、また疲れたときには安心して休むことができる居場所となります。
自己肯定感が得られる環境と関わり
会社や学校など所属の場に馴染めず傷ついた時、人は「自分は社会から外れたダメな人間ではないのか」として自己否定したり、不安で前に進めなくなってしまいがちです。でも、これはあなたのせいばかりではないので、つらい気持ちになったりしなくても大丈夫です。
シエルブルーのフリースペースは、誰にも気がねせずに自由に安心して過ごせる居場所です。自分を肯定できる感覚を養いながら自分の将来を考えていくことができます。就職や生活などいろいろな悩み事は都度相談できます。
自己を肯定できる大切な感覚
- 家以外の場所でリラックスして過ごせる
- 誰にもとがめられずにやりたいことができる
- 自分の話をしっかりと聴いてもらえる
- 通うことで生活リズムが整う
- 交友関係が広がり人との関係に自信が持てる
- 楽しいと思える経験を積んでいける。
一歩踏み出す人の伴走者として
ひきこもりの期間が長引くと集団への恐怖感や対人緊張などを強く感じるようになる場合があります。そのような状況でいきなり自分の許容範囲を超えた外出をしても、後でどっと疲れて継続できずに、自信を失うことにもなりかねません。
もしもそのような人が外出できるようになりたいと望むなら、シエルブルーではご本人の気持ちや状況を一緒に確認し、できる範囲から外出を試みます。
まずはこれから行こうとする場所の確認や、建物の入り口まで行って引き返すなど、自分ができそうだ、そうしてみたいと思えるスモールステップを踏みながら、徐々に自分が考えた外出の形を実現していきます。
シエルブルーに行きたい気持ちになったタイミングでの送迎や、まだ外出に自信のない方には訪問、メール、LINEでのやりとり、メタバース(インターネット上の仮想空間)での関わりから始めることもできます。
外出だけでなく、その人が望む人生に向かって、一緒に伴走していきます。
人との関わりに慣れていきます
人との関わりに自信をつけたいという相談はとても多く、その壁を乗り越えていきたいという相談者の思いを強く感じています。
シエルブルーでは利用者が楽しめる余暇活動や、仲間と交流できるプログラムを、利用者とスタッフで企画して行っています。
プログラム活動を通して自分の思いを安心して発言できるよう、必要時にはスタッフが利用者の間に入り、人との関係づくりをサポートしています。
不安や緊張が強い方は、スタッフとマンツーマンでのやり取りから始める方もいます。多くの人が徐々に利用者同士の関わりにも慣れていきます。
プログラム例
- 食事会
- おしゃべり会
- ミニ講座「アサーション」「自己肯定感」「メンタルヘルス」など
- ゲーム大会「ボードゲーム」「カードゲーム」「オンラインゲーム」など
- カラオケ、映画鑑賞会、行楽地へのお出掛け など
※プログラムにかかる費用は実費いただきます。
ピア(仲間)サポートを大切にしていく
ピア(仲間)サポートとは「同様の経験をした仲間同士の支え合いの営みのすべて」を表します。
私たちの身近で当たり前のはずの対等な関係性が、支援されるという受け身ばかりになってしまったらとても悲しいことだと思います。
シエルブルーには利用者とスタッフで運営するピアサポートグループ「blue ship」があり、自由で居心地のいい関係性で利用者が主となって活動しています。
Tips日時:毎月第2土曜日14時~15時
参加者:シエルブルー登録者 ※見学者大歓迎
内容:参加者で話し合って決めています。
「体験を語り合う」「食事会や外出などのイベント企画」「学習会」等
自分が望む働き方を一緒に考える
必ずしも就職が目標ではありませんが、多くの人が望んでいることでもあります。
就職して自立を目指したい人には就職活動に詳しいスタッフが二人三脚でサポートします。
ご本人の気持ちと状況を確認しながら個別プログラムの用意や、段階的に就労に向けた準備をします。
必要書類(履歴書・職務経歴書など)作成のお手伝い、面接の練習、職場実習、必要に応じた就労支援機関との連携なども行います。シエルブルーで簡単な仕事(内職)を行い、自分自身でお金を稼いでみることもできます。シエルブルーまで来ることが難しい方は、そのお仕事を自宅で行うことから始めることもできます。
就労に必要な知識を講義形式で学ぶこともできます。
まずは学校を卒業したい人へ
シエルブルーは通信制高校の卒業や高等学校卒業程度認定試験(略して高認)の合格を目指す方の応援をしています。1人で課題に向き合うことが苦手な方にスタッフの後押しや学習スペースとしてシエルブルーの利用、愛知県教育委員会が主宰する「高認試験」合格に向けた無料の学習支援のご紹介をしています。
リカバリーを意識する
リカバリーは、生きづらさからの回復や元に戻るという意味ではありません。
その苦しい経験から新たな人生の意味や目的を見出し、充実した人生を生きていく一人一人のプロセスのことです。
また、リカバリーは誰かから方向付けされたり、誰かに何かをさせられたりするものではなく、自分で決めるものです。リカバリーには決まりも際限もありません。人生の再出発のゴール(目標)をどこに定めるのかはその人自身の問題です。
シエルブルーはリカバリーを意識した関りや取り組みを大切にしています。
リカバリーを促す要素
スタッフと利用者の対等な関係性
ストレングス志向 -その人の強みに着目する-
チャレンジの支援
リカバリー経験者と接する機会
学ぶ機会の提供 -ミニ講座や当事者向けセミナーの紹介-